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親が借金を残して死亡したら・・・

山下江法律事務所

 今回は、親が借金を残して死亡した場合の相続の話です。

親が借金を残して死亡した場合、その借金はどうなるのでしょうか?子は親の借金を返済する義務を負うのでしょうか?

この点、民法896条本文では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」となっており、原則として、相続人は、被相続人の借金を返済する義務も承継することになります。(被相続人というのは、相続される人、すなわち死亡した人のことで、相続人は、相続する人のことです。)そして、民法887条1項は、「被相続人の子は、相続人となる。」としていますから、原則として、子は、親の義務を承継し、親の借金を返済する義務を負うことになります。

では、親が多額の借金を残して死亡した場合、子はその借金を支払うしかないのでしょうか?

死亡した親の借金を返済する義務を必ず承継するのであれば、子は自らには何ら落ち度がなくても多額の負債を負わされてしまい、極めて酷なことになってしまう場合があります。そこで、民法は、このような状況に備えて、①相続放棄と②限定承認という相続の方法を定めています。

①相続放棄

民法939条は、「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」としています。
よって、相続放棄をすれば、子は、親の相続人とならなかったものとみなされますから、親の積極財産(=プラスの財産)も相続できませんが、借金の返済義務等の親の義務も負担しないで済むことになります。

②限定承認

民法922条は、「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。」としています。
よって、限定承認をすれば、子は、相続によって得た積極財産(=プラスの財産)の限度においてのみ、借金等の親の債務を支払えばよいことになります。

被相続人が多額の借金を残して死亡した等の場合には、相続放棄や限定承認は大変便利な制度です。しかし、相続放棄も限定承認も、原則として、相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所に対して申述しなければならない等、法によって定められた手続を適切にとらなければなりません。適切な手続をとらなければ、意に反して義務を承継してしまうこともあります。相続について不安がある場合は、当事務所にご相談下さい。

監修:弁護士法人山下江法律事務所

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