個人再生(民事再生)とは裁判所の監督の下、債務の一部免除や長期の弁済条件などを組み込んだ再生計画を作成し、これに基づき借金を返済していく制度です。また、住宅をお持ちの方にとっては、住宅ローンは従前の条件で支払を続けつつ、それ以外の高利の借金を大幅減額できる手続も用意されています(住宅資金特別条項という条項を再生計画に組み込みます)。
個人再生手続は他の手続きに比べやや要件が厳しく、誰しもが利用できる手続ではありませんが、住宅を残しつつ借金を大幅に減額できるという大きなメリットがあります。
目次
個人再生の流れ
- 弁護士から業者に受任通知書を発送:通知が届いた時点であなたへの請求が止まります。
- 個人民事再生を申立:弁護士と打ち合わせをしながら申立書を作成し、裁判所に提出します。
- 再生手続を開始: 裁判所が個人民事再生手続きの開始を決定します
- 再生計画案を作成:弁護士と打ち合わせをしながら再生計画案を作成し借金免除額、残りの借金額を検討します。
- 再生計画案を提出:再生計画案を裁判所・業者に提出します。
- 書面決議 :業者から民事再生手続きに反対である旨の意見が出た場合には、別途弁護士と打ち合わせをした上で対応策を検討します。
- 再生計画の認可: 裁判所が認可し、確定することにより手続は終了します。
- 返済を開始:とくに問題がなければ、裁判所に申立後、約半年後から返済が始まります。
個人再生のメリット
- 住宅ローン特則を利用すれば、マイホームを手放さなくて済みます。
- 取立行為の規制 弁護士に依頼した場合、その時点で貸金業者の取立行為が規制されます。
- 返済のストップ。弁護士に依頼した場合、その時点より民事再生成立まで債務を返済する必要がなくなります。但し、裁判所が、返済資金のストックなどとして一定額の積み立てを求める場合もあります。
- 利息制限法による引き直し計算により残元本の減額が行われます。
- 利息制限法による引き直し計算により減額された元本は、一定の要件により更に大幅に減額されます。
- 過払い金の返還も場合によっては可能です。残元本以上の返済をしている場合は、過払い金の返還を求めることが可能です。
- 自己破産のような、職業制限や資格制限がない。
- 自己破産のような、借金の原因が浪費等であるかどうかを問われません。
個人再生のデメリット
- ブラックリストに登録されます。但し、銀行のキャッシュカードは作れますし,金融機関からの振込み、引き落とし等は通常通り行うことができます 。但し、その後、特に問題がなければ、7~8年で削除されます。
- 官報に掲載されます。但し、一般の人が官報を見る機会はほとんどありません。