民事再生とは、債務者が資金繰りに行き詰まったり、債務超過の恐れがあるなど経済的に窮地にある場合に、裁判所の関与の下で、債権者等の協力を受けて、自主性を尊重しながら、債務者の事業または経済生活の再生を図る手続きです。
民事再生のメリット
事業活動を継続するためは、資金繰りの確保と、債務不履行(特に手形の不渡り)を回避することが必要となりますが、民事再生のメリットは、弁済禁止の保全処分を得ることにより、資金繰りの余裕ができるようになると共に、債務不履行、手形の不渡りを合法的に回避できる点にあります。
また、現在の経営者が経営権を手放さずに、再建を図ることが出来るというメリットもあります。
資金繰りに悩む会社の多くは、金融機関に対する多額の借入金の返済に追われています。
毎月の多額の借入金返済が、資金繰りを圧迫しているのです。
民事再生手続をとれば、債権者の同意を得ることを条件に負債の90%以上をカットしてしまうことが可能となったケースもあります。
また、カット後の負債については、10年以内に元本を延べ払いする方法をとりますので、資金繰りの負担は抑えられます。
民事再生のデメリット
民事再生手続を申し立てた場合のデメリットも確認しておかねばなりません。同手続は会社再建のための手続ですが、倒産手続のひとつであり、同手続を行った場合に会社の信用が一気に低下して、一部取引が困難となる場合もあります。
また、これを乗り切って、裁判所により再生計画が認可されても、その後、同計画が思い通りに行かず、結局破産へと移行せざるを得ない場合も少なくありません。
ですから、どういう手続を選択するかは慎重に判断する必要があります。
民事再生手続
弁護士が民事再生手続を受任した場合、手形決済期日付近をXデーにして準備にとりかかります。
弁済禁止の保全処分とは、会社が買掛先等の債務を債権者に支払ってはならないとする裁判所からの命令です。
裁判所からの命令ですので、手形も決済してはいけないということになり、手形不渡りを免れることとなるのです。
民事再生手続をとることを公表した場合、債権者やその他関係者が、会社に押し寄せてきますので、保全処分が発令されるまでの間は、秘密裏に手続をすすめていかねばなりません。
申立直後に債権者説明会を開催し、弁護士が民事再生手続について説明をいたします。
これにより、債権者の対応は冷静になることが通常です。
さらに、旧来の債務は棚上げされ当面支払わなくてもよくなるため、必然的にキャッシュフローがよくなってきます。
申立直後は現金決済を要求されることもありますが、予め十分な準備をしておけば、それらに十分に対応できるキャッシュフローを確保することができます。
また、申立後も事業を継続するわけですから、次第に信用も回復し、従前同様のサイトで各債務を決済することも不可能ではありません。
民事再生手続開始申立後について
申立て後長くとも2週間程度でおおかたの混乱は収まります。
当事務所は、どんなに小さな問題であってもその都度サポートしますので、経営者の方や、従業員の方は事業継続に専念することが可能となります。
会社経営者は、民事再生手続きをとることにより以前より強く逞しくなられ、逆境での経験が、その後の経営にプラス材料になる場合が多いと思います。